ギャルリー東京ユマニテの飯嶋桃代展が興味深い


 東京京橋のギャルリー東京ユマニテで飯嶋桃代展が開かれている(8月3日まで)。これは「画廊からの発言−新世代への視点2013」という東京現代美術画廊会議の企画の一環で、ギャルリー東京ユマニテが飯嶋桃代を取り上げたことによる。
 飯嶋は1982年、神奈川県生まれ。2006年に女子美術大学美術学科立体アート専攻を卒業。2008年に同大学大学院修士課程美術専攻立体芸術研究領域を修了し、2011年に同大学大学院博士後期課程美術専攻立体芸術研究分野を修了している。
 2006年に銀座のpepper's galleryで初個展、以後ギャルリー東京ユマニテ、銀座gallery女子美、マキイマサルファインアーツなどで個展を開いている。初個展を見たが、地面に掘った家型の穴に石膏だったかを流し込んだ立体を展示していて、とてもおもしろかったのを憶えている。
 今回は画廊の壁面3面に10枚の布を張っていて、布にはたくさんのボタンが縫いつけられている。別の布10枚にはボタンホールが作られている。壁に張られた布のボタンを、ボタンホールのついた布に留めているが、留め方によってくしゃくしゃの立体になっている。それを見ると人型になっているのが分かる。2枚の布を合わせて、人の形を作っている。2枚の布とボタンで人型が現れる。社会の中で人が作られることの類推で、これらの立体を考えることができるかもしれない。




 ボタンの数は4,000個も使われているという。手で一つ一つ縫っている。これを作るのに何カ月もかかったようだ。その大変な作業が十分報われている展示と言えるだろう。
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飯嶋桃代展
2013年7月22日(月)−8月3日(土)
10:30−19:00(最終日18:30まで)日曜休廊
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ギャルリー東京ユマニテ
東京都中央区京橋2-8-18昭和ビルB2F
電話03-3562-1305
http://g-tokyohumanite.jp/
地下鉄銀座線京橋駅6番出口から徒歩1分