ギャラリー58の山下耕平展がおもしろい


 東京銀座のギャラリー58で山下耕平展が開かれている(8月3日まで)。これは「画廊からの発言−新世代への視点2013」という東京現代美術画廊会議の企画の一環で、ギャラリー58が山下耕平を取り上げたことによる。
 山下は1984兵庫県生まれ、2007年に佐賀大学文化教育学部デザイン専攻を卒業している。東京では、2011年、2012年の同じギャラリーでの個展に続いて3回目だ。この若さですでに佐久市立近代美術館にコレクションされている。
 昨年までは変形キャンバスに描いていた。今回は192×81cmの長方形のパネルに描いている。しかし山下のことだ、何かしているに違いない。果たして、大きな顔の部分は別の合板パネルに描き、それを切り抜いて長方形のパネルに貼り、それから全体を完成させているという。
 男たちの多彩な顔が描かれている。フランシス・ベーコンを思わせる顔もあるが、東京国立近代美術館のベーコン展は見ていないという。画廊の壁に山下のテキストが貼られていた。

 日常の中と日常の外の往来。/そこから、キッカケやヒントの様なものを持ち帰ることがある。/どうにもとまらない気持ちが、ぼんやりと浮かんでくる。/それを、どうにかして掴んで、かたちにしたい。/そのかたちを絵にすることで、自分を表現したい。







 作家本人に会うとシャイで控えめな感じの青年なのだ。この青年のどこにこんな過激な情動が潜んでいるのだろうと、そっと横顔をうかがってしまう。
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山下耕平展
2013年7月22日(月)−8月3日(土)
12:00−19:00(最終日17:00まで)日曜休廊
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ギャラリー58
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル4階
電話 03-3561-9177
http://www.gallery-58.com