KAMIYA ARTの足立正平展が興味深い


 東京日本橋本町のKAMIYA ARTで足立正平展が開かれている(7月19日まで)。足立は1976年東京生まれ。幼少より書を学び、1999年多摩美術大学日本画科を卒業している。翌2000年から2002年まで中国政府給付奨学生として中国美術学院で学んでいる。私は2007年に京橋のアートスペース羅針盤でグループ展に参加していた足立を見て以来、2009年、2010年、2011年と同じアートスペース羅針盤での個展を見てきて、2010年にはこのブログでも紹介した。
 今回KAMIYA ARTの個展会場へ入って展示を見たとき、容易に作品の世界に入り込めなかった。抽象の水墨画が並んでいる。それらは素っ気ない表情をしていて、取り付く島がないといった印象だった。しかし足立と話しながらゆっくり見ていると、だんだんと作品がおもしろく見えてきた。それまで時間がかかったのだ。





 ここには何も具体的なものは描かれていない。筆で線を引き刷毛でマッスを描き、また線を引き緊張感のある空間を作っていく。その空間のおもしろさだ。
 サイズはすべてほぼ70cm四方の正方形の画仙紙を使っている。写真に光のむらがあるのは画廊の照明のため。実際は葉書の作品のように白い紙に描かれている。
 最初はぶっきらぼうに見えるかも知れない。でも時間をかけて見ていってほしい。ゆっくり見ていると、徐々に作品の面白さが伝わってくるはずだ。


京橋のアートスペース羅針盤で足立正平展を見る(2010年9月16日)
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足立正平展「−sumi−oto−」
2013年7月4日(木)−7月19日(金)
11:00−19:00(土日祝13:00−19:00)
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KAMIYA ART
東京都中央区日本橋本町3-2-8
電話03-3231-2886
http://www.kamiya-art.com
JR総武線日本橋駅(6番出口)徒歩1分
東京メトロ半蔵門線・銀座線 三越前駅(A10番出口)徒歩3分