電車に貼られた書籍の広告が興味深い

 電車に貼られたポスターの書籍広告が興味深い。『成長の限界』のJ. ランダースの『2052−今後40年のグローバル予測』(日経BP社)の広告から。

▲地球の総人口は2040年頃の80億人をピークに、その後減少する。
▲地球の総GDPは予想外に伸びず、2050年は現在の2.2倍に。
▲経済の成熟、格差、社会紛争、気候変動によるダメージで、生産性の飛躍的な向上は望めない。
▲その結果、2045年以降、世界の消費の伸び率は減少する。
▲2052年、資源と気候の問題は壊滅的レベルには達していない。
▲ただし、2052年までに温暖化対策を強制的に進めないと、その後気候変動の歯止めが利かなくなる。
▲資本主義や民主主義は短期志向であり、長期的に必要な対策を打つための合意が取れず、手遅れになる。
▲予想外の敗者となるのは、現在の経済大国、中でも米国だ。
▲勝者となるのは中国で、BRISE(ブラジル、ロシア、インド、南アフリカ、その他新興大国10カ国)も発展するが、OECD加盟国は停滞する。

 第12章「あなたは何をなすべきか」に著者ランダースからのアドバイスが書かれているという。それが、

▲収入より満足に目を向けよう。
▲気候変動が少ない場所に住みなさい。
▲移住するなら「決断できる政府」がある国に。
▲製造業の仕事は激減する。サービス業の仕事が嫌なら、再生可能エネルギー分野で働きなさい。
▲子どもたちには、北京語を学ぶように強く勧めなさい。
▲「成長は善」という考え方から脱却しよう。
▲投資をするなら社会不安に敏感でない分野に。
▲現在の持続不可能性の中にビジネスの可能性を探ろう。
▲子どもに無垢の自然を愛することを教えないほうが、子どものためになる。
▲大勢の人に荒らされる前に、世界中の魅力あるものを見ておこう。

 このうち、「子どもに無垢の自然を愛することを教えないほうが、子どものためになる」というのがとても不思議だ、なぜ教えないほうが良いのだろう?
 本書の詳しい内容がこちらで見ることができる。そこには、「『2052』はこれらの疑問にすべて答えます。」として、次の項目が羅列されている。
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P49410.html

・この地球は人類を何人まで養うことができるのか?
・この先、食料とエネルギーは足りるのか?
・次の世代は残された莫大な借金と年金負担を受け入れてくれるのか?
・どの国が栄え、どの国が衰退するか?
再生可能エネルギーへの切り替えは成功するか?
・経済は永遠に成長を続けるという神話はいつ破綻するか?
・中国への経済シフトは平和裏に行われるか?
・暴走し始めた気候変動を止めることができるのか?
・世界の中で暮らしが良くなるのはどの地域か?
・今の国にそのまま住んでいていいのか? もし移住するならどんな国がいいか?
・個人としてこれからすべきことは何か?
・子どもの教育で心がけておくべき事は何か?

 とても興味深い。とはいえ、私は読まないだろうが。


2052 今後40年のグローバル予測

2052 今後40年のグローバル予測