コバヤシ画廊の坂本太郎の大きな木彫を見る

 東京銀座3丁目のコバヤシ画廊で坂本太郎展が行われた(10月20日まで)。坂本太郎は1970年、埼玉県生まれ、2000年に愛知県立芸術大学大学院修士課程を修了している。1999年に愛知のギャラリー妙で初個展、その後都内では2000年に当時早稲田にあったガルリSOL、2001年以降銀座のフタバ画廊や小野画廊、ギャラリーアートポイント、ギャラリー山口などで毎年個展を続けてきた。今回は2009年のギャラリー山口での個展以来3年ぶりの開催となる。そのギャラリー山口での個展は以前紹介したことがある。
ギャラリー山口の坂本太郎展「月守-Moonkeeper-」(2009年10月23日)
 坂本はいつも巨大な木彫作品を発表する。始めは象の頭部を原寸並の大きさで作るなどしていたが、最近では抽象的な形態の作品に変わってきている。今回のコバヤシ画廊の展示では高さ2m60cmの塔のような木彫と、床に置かれた平たい木彫作品の2点を出品している。


 どちらも不思議な形をしているが、なぜか違和感がなくどこか親しい感じがする。具体的な何かを表してはいないようだが、全くの架空のものではないのだろう。とは言えこれは何だろう。作品はノミの跡がはっきりと印され、削がれたり割られたような痕跡もある。全体が黒く塗られている。大きな山だろうか。
 平たい作品は生物を象ったようにも見える。海に棲む海鼠の類とか。またはベンチのような自然石にも見える。1つは佇立し1つは寝そべっている。どちらも圧倒的な存在感がある。会場にはクスの匂いが漂っている。
 何を作っているのかよく分からないのに、坂本の作品には見ることの楽しみがある。今年42歳、坂本は優れた中堅の木彫作家になっていた。
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坂本太郎
2012年10月15日(月)−10月20日(土)
11:30−19:00(最終日17:00まで)
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コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1F
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/