CASHIのグループ展「100 degrees Fahrenheit vol.3」の出野虹大がおもしろい

 日本橋馬喰町のギャラリーCASHIでグループ展「100 degrees Fahrenheit vol.3」が開かれている(6月30日まで)。石川優太、中村桜子、出野虹大の3人が出品している。画廊が用意したちらしには、

 この度CASHIでは若手作家で構成するグループ展「100 degrees Fahrenheit vol.3」を開催いたします。
 華氏度での人間の平熱は98.6度と言われており、体温が華氏100度以上になると治療が必要とされています。その為、物理的に人に何らかのダメージを与え始める温度として展覧会名を「100 degrees Fahrenheit」と題し、2008年6月のこけら落としとなった「100 degrees Fahrenheit vol.0」ではCASHI(華氏)という名の通り若手作家数名によるグループ展によって新時代の温度を感じる空間を演出しました。シリーズ4度目となる本展では、若手作家3名によるグループ展を開催いたします。
(中略)
出野虹大は少女と昆虫、そして宇宙をモチーフとした凄絶な細密画を展示します。

 私は出野のドローイングがおもしろかった。出野は1989年千葉県生まれ、発表は今回が初めてとなる。



 以下の2点はそれぞれ部分を拡大したもの。


 出野は丸ペンを使って段ボールに描いている。作品は天地170cm前後と大きく、そこに細密な図をびっしりと描きこんでいる。個々のイメージはアニメやマンガに近いが、それを過剰に徹底して描きこんでいるので、不思議な作品となっている。段ボールを使っているのは、チープな素材を使って表現したいからだという。今後が楽しみな作家の誕生だ。
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「100 degrees Fahrenheit vol.3」
2012年6月1日(金)−6月30日(土)
11:00−19:00(日・月・祝日休廊)
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CASHI
東京都中央区日本橋馬喰町2-5-18
電話03-5825-4703
http://cashi.jp