a piece of space APS & ギャラリー・カメリアの平体文枝展


 銀座1丁目の奥野ビル5階にあるギャラリーa piece of space APSと隣室のギャラリー・カメリアで平体文枝展が開かれている(4月21日まで)。
 平体は石川県生まれ、1989年に筑波大学芸術専門学群美術専攻を卒業している。2002〜2003年に文化庁派遣芸術家在外研修員としてベルギーに滞在した。
 DMに掲載されている本展を企画した三ツ木紀英のテキストから、

平体文枝は独特の中間色と色の組み合わせで、風景の断片や心象風景、特にテキスタイル模様のような抽象作品を制作してきました。最近はより少ない筆致で、奥行きとイメージの拡がりを作り出すことに挑戦し、まだ乾ききらない画面に一気に筆を走らせることで、向こう側に溶け込むような奥行きや浮遊感、風吹くような清々しさを生み出しています。(後略)

 私はギャラリー・カメリアに展示されている上の写真の作品が気に入った。作家に聞くと数時間で完成させたとのこと。計算して描くのではなく、一気呵成に仕上げるのだという。描き終えてからこれは傑作ができた、だめだったと分かるのだという。
 この作品はその傑作に入るだろう。素早い筆致で即興的に仕上げている。タイトルが「池のおもてを見つめていると」となっている。それでは水面のさざ波なのか。だがタイトルは重要ではない。ここには美しい色と形がある。即興的に描かれた筆触の完成がある。
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平体文枝展「池のおもてを見つめていると」
2012年4月9日(月)〜21日(土)
12:00〜19:00(日曜日休廊)
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a piece of space APS & ギャラリー・カメリア
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル511号室&502号室
電話03-3567-4330
(ギャラリーのホームページ)
http://www.a-piece-of-space.com
(平体文枝のホームページ)
http://www14.plala.or.jp/hiratai/home.htm