都内のある美術館の中庭のツルバラの太い幹が何やら白くなっている。近づいてよくみると、これはバラシロカイガラムシではないか。こんなにすごい被害は初めて見た。河合省三『日本原色カイガラムシ図鑑』だって、これほどひどい写真は掲載されていない。同書から、
バラシロカイガラムシ Aulacaspis rosae
雌の介殻は径2mm内外、虫体は黄色、成熟して赤褐色となる。
寄主植物および生態 〔バラ〕バラ、ノイバラ、ハマナス、キイチゴ類、キンミズヒキ;主として枝・幹に寄生するが、雄は葉面に多く、雌もときに葉面にも寄生する。発生は不規則で、主として成虫で越冬するが、2齢幼虫もみられ、おそらく年2〜3世代をくり返すものと思われる。
分布 世界共通の種で、世界中の熱帯から寒冷地帯まできわめて広く分布しており、北海道、本州、四国、九州、小笠原諸島の各地にごく普通にみられる。(後略)
本書の発行は1980年12月、私が編集担当だった。もう絶版で、本体価格5.000円のものがAmazonで極めて高価な値段が付いている。
- 作者: 河合省三
- 出版社/メーカー: 全国農村教育協会
- 発売日: 1980/12
- メディア: 単行本
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