エルメスの広告を見て考えた

 朝日新聞12月11日の朝刊にエルメスのカラー全面広告が4ページ掲載された。同じ日に読売新聞には2ページ、毎日新聞には何も掲載されなかった。


 広告主と広告代理店はシビアなものなのだ。そこに出稿することが本当に有効かどうか計算している。少年週刊誌『ジャンプ』がどんなに売れていて大人が買っていると言われても、広告でみる限り子ども向けの商品しか載っていない。「朝日ウィークリー」など初心者向けの英字紙も広告は日本語だ。広告が本音なのだ。
 だからエルメスもその辺をきちんと計算しているのだろう。発行部数では全国1位の読売より、2位の朝日の方がエルメスの購買者としては多いと踏んだのだろう。書籍広告も出版社からは朝日新聞が最も重要視されている。ただ各紙の日曜日に掲載される書評欄は毎日新聞が一番充実している。これは丸谷才一の助言によるらしい。
 エルメスの広告が毎日新聞に掲載されなかったのは、ひとえに発行部数の問題なのだろう。部数が少ないので広告も少なく、総ページ数も多くないのだ。「第3種郵便物認可」の条件として、広告の分量は全紙面の半分以下とされている。
 広告を見れば本音が分かる。