ソニーのブルーレイの広告にもの申す

 ソニーのブルーレイの電車内の額面広告。


録画のミスは、家族のモンダイだ。


よりによって
ドラマの最終回だけ
どうして獲れてないの?

 小学生の女の子が涙を浮かべている。録画ミスで好きなテレビドラマの最終回を見逃してしまったのだ。ソニーのブルーレイならそんなミスはしなかったのに。
 まず小学生の女の子は「よりによって」などとは言わない。これは大人の表現だ。
 さらに問題はテレビドラマの録画をミスして子供が泣いているのを肯定していることだ。こんなことは大きな問題ではない。成長する過程で何度も経験することだ。これは人生には悲しいことがあることを教える良い機会ではないか。「家族のモンダイ」なのでは決してない。
 本当に辛いことは、このポスターのすぐ近くにワールド・ビジョンのポスターが貼られている、その内容なのだ。ポスターのコピーから、


4秒に1人、
貧困で幼い命が犠牲に。


世界では1年に約760万人、4秒に1人の割合で、子どもの命が失われています。
それも、わずかなお金で予防し、救えるはずの病気によって。
クリスマスを目前にした、いまこの瞬間も。新聞やテレビでは
あまり知らされることのない「緊急事態」が、静かに進行しています。
どうかこの冬、力をかしてください。
きょうこの子に目をとめてくれた、あなたの助けが必要です。

 このポスターと比べたら、ソニーのポスターはなんて脳天気に見えるのだろう。