飯田市美術博物館の企画展「室内の絵画−静物と人物−」に展示された山本弘

 長野県の飯田市美術博物館で企画展「室内の絵画−静物と人物−」が開かれていて、山本弘の作品が14点も展示されている。会期は11月20日まで。山本のほかは、正宗得三郎7点、須山計一と吉川安雄が2点ずつ、清水監、今村泰造、菱田武夫、勝野睦人が1点ずつ。山本の点数が際立っているが、さらにまとめて別室に展示されている。

 入口に木炭で描かれた自画像がある。山本さん、お久しぶりです。少し胸がつまる。

 ついで今年の春、原英章君が探し出してくれた30号の「黒い鳥」が掛けられている。実物を見るのは43年ぶりだ。当時アメリカでは熱い夏と呼ばれた黒人の人権回復を要求する暴動が盛んだった。それを描いたんだと言われた。

「母子像」はビュッフェの影響が強い若い頃の作品、先輩たちからお前は筆が走りすぎると言われていた頃か。

「日々酔如泥」は41歳の頃のもの。本当に毎日酔っていた。

「人物」は19歳の時の私だ。受験に失敗して山本弘を訪ねたばかりの頃、知らないうちに描かれていた。後日会社の女子社員に見せたら「ゾンビ」と言われた。そうか、あの頃の私はゾンビだったのか。企画した学芸員の小島さんが、きっと私が見に来るだろうと思って出したんですと言われた。山本の油彩の自画像と並べようとしたが、額装の準備が間に合わなかったと。



 美術館の空間に展示された山本弘の作品を見るのは格別だ。
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やっと見つかった山本弘「黒い鳥」(2011年3月17日)
山本弘の作品解説(13)「青年」(2008年3月11日)
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「室内の絵画ー静物と人物ー」
2011年10月8日(土)〜11月20日(日)
9:30〜17:00(月曜日休館)
入場料:大人310円
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長野県飯田市追手町2-655-7
電話0265-22-8118
http://www.iida-museum.org/