西荻窪のギャラリー数寄和の坂田祐加里展

 東京杉並区西荻窪のギャラリー数寄和で坂田祐加里展が始まった(10月7日まで)。坂田は1982年神奈川県生まれ、昨年造形美術大学美術学科を卒業している。
 2007年に初個展を開いたのち、グループ展やアートフェアに出品し、昨年は第3回art_icle賞グランプリに選ばれている。
 坂田はしばしば過剰とも思えるエロティックな作品を発表してきた。時に女性器が描かれたこともある。しかし、坂田の意図は決して扇情的なものではない。おそらく性という根源的な神秘への畏敬が根本にあるのではないだろうか。
 今回の個展では、作品の造形性以外のそのような神話的なものへの言及は最小限にとどまっている。それにも関わらず作品として魅力的なものになっていることに驚いた。18枚の紙を貼り合わせた大作や、葉が画面を埋め尽くした「寛容」と題された作品も良かったし、「帰還」というタイトルのオランウータンを描いた小品もよかった。いずれも細い線がみっしりと描きこまれている。


18

寛容

森海

帰還

 ギャラリーはJR中央線西荻窪駅北口を出て、北に真っ直ぐ5分ほど行った左手にある。駅から続く道路に面したビルの1階だ。1ブロック先に道路と橋で交差して善福寺川が流れている。
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坂田祐加里展
2011年9月16日(金)〜10月7日(金)
11:00〜19:00 無休
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数寄和
東京都杉並区西荻北3-42-17
電話03-3390-1155
http://www.sukiwa.net