コバヤシ画廊の西成田洋子展「記憶の領域2011」

 銀座3丁目のコバヤシ画廊で西成田洋子展「記憶の領域2011」が開かれている(9月24日まで)。西成田は1953年茨城県生まれ、1987年より東京、水戸、ニューヨークなどでもう30回以上も個展を開いている。




 昨年書いたことを大きく変更する必要がないので一部再録したい。作品は大人の背丈ほどもある奇妙な立体で、古着などを縫い合わせて造形していくのだという。何かSF映画に登場する怪獣を思わせないでもない。あちこちに穿たれた穴が眼や口や鼻に見えなくもないが、かといって具体的な何かを現していると断定するのも難しい。「記憶の領域」というタイトルから、もしかしたら作家の情念を造形化したのだろうか。
 しかし昨年とは違ってきたところもある。立っている白い作品はより穏やかな印象だし、ソファのような横長の作品も現れた。壁面には絵画も並べられている。総じて夾雑物が削がれてきている印象があり、穏やかで抱擁的な方向へ変化しているように思えるのだ。
       ・
西成田洋子展「記憶の領域2010」
2011年9月12日(月)−24日(土)
11:30−19:00(最終日17:00まで)、日曜休廊
       ・
コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1F
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/