誰が考えているのか?

 娘と八百屋へ野菜の買出しに行った。ニラの前に立ち止まった娘が、ニラ買う? と聞いてきた。うん買おう、食べたいというと、いつも父さんニラ嫌いだっていうのにどうしたのと言う。その日はなぜかニラが食べたかった。
 疲れたときは甘いものが食べたい、汗をかいたときはしょっぱいものをほしがる。ニラを食べたいと思うなんて、ニラには何があるのかな?
 ニラはね、ビタミンB2が豊富なんだよ。
 でも、ニラを食べたがったり、甘いものがほしかったり、それを欲しているのは誰だろう。もちろん私だ。しかし、欲しているのは事実だが、自分が意識的にほしがっているのではない。体が欲しているという言い方がある。このときの「体」と「意識」の関係はどうなっているのだろう。意識下で考えている自分がいるのだろうか。でもそれをも「考えている」といえるのだろうか。これが内臓で考えているとしたら、内蔵は意識とつながっているのだろうか。
 いったい誰が(何が)ニラを欲しているのか。