東電OL殺人事件でネパール人のゴビンダ・プラサド・ゴビンダ受刑者(44歳)が有罪とされ無期懲役が確定している。先日新たな証拠が見つかり、再審請求がされている。「東電OL殺人事件」(新潮文庫)を書いた佐野眞一が婦人公論にエッセイを書いている(2011年8月22日)。
ゴビンダには4年前、横浜刑務所へ頻繁に足を運んで面会しました。いっしょに会いに行った弁護団のひとりが、「日本の司法制度は一度有罪と決めたらほとんど覆さない。あなたは一生、ここから出られないかもしれません」と言った。そのとき、ゴビンダは「かまいません」と答えたのです。「私は無実ですから戦い続けます」と。
同じ4年前に奥さんがネパールから面会に来た。15歳と13歳の二人の娘も来た。娘たちのかわいいさかりだったときをゴビンダはまったくいっしょにすごせなかった。でもゴビンダは家族に泣き言など言わなかったという。
佐野が書いているが、「異国の地の刑務所でここまで力強く振る舞えるとは、なんとタフな男だ、そう思いました」。本当に強い人だと思う。事件からもう14年が経過している。再審が開始され、無実を勝ち取ることができるのを強く望む。

- 作者: 佐野眞一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/08/28
- メディア: 文庫
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