新潮社のPR誌「波」がこの8月号で500号になった。1967年1月に創刊して、1968年春季号から表紙に作家の書を掲載するようにした。第1回が川端康成だった。川端は「風雨」と書いている。見事な書だ。以来、井伏鱒二、稲垣足穂、内田百間、石川達三、開高健、新田次郎、三島由紀夫、星新一、田辺聖子、瀬戸内寂聴、石川淳、柴田錬三郎、檀一雄、筒井康隆、立原正秋、小林秀雄、松本清張、大江健三郎、司馬遼太郎、井上ひさしなど錚々たる作家たちが書いている。しかし、時代が下がるごとに書はどんどん下手になり、新しい作家はボールペンにまでなってしまう。でもこの特集は面白かった。「とんぼの本」で取り上げられればいいかな。400人ほどの作家の書なんてそれだけで興味が湧くだろう。