「新、アーティスト展」のオオタアリサ

 東京日本橋のGALERIE SHO CONTEMPORARY ART(ギャラリー・ショー)で「新、アーティスト展」が始まった(8月27日まで)。4人の作家が取り上げられている。増田直人、下條沙恵子、オオタアリサ、Lee DONGIだ。
 増田直人は1965年生まれ、国画会会員で愛知県立芸術大学の準教授だ。ギャラリーで配布しているちらしのテキストから、

「女子高生」を現代社会の縮図の一側面として捉え、ガールズカルチャーを通して日本を表現しようと試みます。描かれた無表情は、期待と不安、好奇心など、いくつものレイヤーを持った「10代のときめき」の象徴でもあります。

 いや、それはちょっと贔屓の引き倒しじゃないだろうか。
 下條沙恵子は1987年東京都生まれ、今年多摩美術大学油画専攻を卒業している。「版画という技法にこだわりを持ってモノタイプ作品を制作」とある。落書きのような奇妙な動物を描いている。
 DONGIは1967年ソウル生まれ、アトムのようなキャラクターが登場するアニメ風のポップアートを描いている。
 さてオオタアリサである。1987年東京都生まれ、やはり今年武蔵野美術大学油画学科を卒業している。すでに何度か個展やグループ展を開いている。ギャラリーのテキストから、

少女性を内包した物語を感じさせる不思議で危険な世界観と、弾けるようにエロティックな作品に注目です。

 以前ギャラリー・ビー・トウキョウでのオオタアリサ個展を紹介したが、かなり危ない作品を作っていて、興味深い作家として注目している。
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オオタアリサ個展が危険で面白い(2010年6月23日)
 ここで、次のように書いた。

 オオタアリサのファイルには展示できないような危険な作品もある。オオタが本質的に持っているこの危険さが、彼女の作品の魅力を担保している。会田誠が毒を持っていることによって優れた作家であるように、オオタも毒まではいかないがその危険さによって、類似の画家たちとはっきり区別されるだろう。オオタはいま多様な表現を模索している。それがどこに落ち着くのだろう。将来が楽しみな若い作家だ。

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「新、アーティスト展」
2011年7月22日(金)−8月27日(土)、日曜・月曜・祝日閉廊
12:00−19:00(土曜日11:00−17:00)
入場無料
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GALERIE SHO CONTEMPORARY ART(ギャラリー・ショー)
東京都中央区日本橋3-2-9 三品ビル B1F
電話03-3275-1008
http://www.g-sho.com
 日本橋高島屋の並びで京橋寄りにDIC本社のビルがある。中央通りを隔ててその真向かいにDOMANIの店があり、そこの地下にある。
 ちなみに佐倉の川村記念美術館はDIC(旧大日本インキ)の運営する美術館で、ステラのコレクションでは世界一だという。さらにロスコの部屋があり、バーネット・ニューマンの大作を常設で展示している。