4年ぶりの菊元仁史展が始まった

 銀座8丁目のギャラリーexhibit LIVE & Morisで4年ぶりの菊元仁史展が始まった(7月9日まで)。菊元は1966年静岡県生まれ、1990年に東京学芸大学教育学部を卒業している。1996年、1997年、1999年にギャラリーQで、2002年と2007年、そして今回exhibit LIVE & Morisで、もう16年間に6回個展を開いている。一見ギャラリーを変えているように見えるが、変わったのはギャラリーで、個展を開いている空間は6回とも同じ場所なのだ。そして追求しているコンセプトも16年間変わっていない。

 菊元は常に抽象的な立体を作っている。今回も同じだ。これは一体何だろう。ギャラリーの中央に金属棒やひも状のもの、針金や竹ひご状のもので不思議な立体が組み立てられている。作品は正面から見ることを求められている。空中に浮かんでいる鳥の巣みたいな形は何なのか。

 奥行きは2メートル近くあるはずなのに、正面から見ると焦点が定まらず、奥行きがあいまいに見える。それが菊元の狙いなのだ。立体は普通空間を創造するものだが、菊元は一貫して立体から空間を消すことを目標としてきた。それはほとんど成功しているだろう。ぜひ実際に足を運んで見てほしい。立体とはいえ、インスタレーションともいうべき作品で、この機会を逃したらまず二度と見ることができないだろう。作品の性格から写真に記録することが難しいのだ。

 
独特の空間の試み、菊元仁史展を見る(2007年3月14日)
       ・
菊元仁史展〈視者の場所II〉
2011年7月4日(月)〜7月9日(土)
12:00〜19:30(最終日17:30まで)
       ・
exhibit LIVE & Moris
東京都中央区銀座8-10-7 東成ビルB2
電話03-5537-0023
http://artlive.cool.ne.jp