「レコード芸術」7月号が吉田秀和特集だ!


 雑誌「レコード芸術」7月号が吉田秀和特集だ。ほぼ巻頭に42ページも組まれている。中心は音楽評論家白石美雪による吉田秀和への3本のインタヴュー。最近完結した吉田の「永遠の故郷」4部作を起点に音楽批評の「現場」を語り、ついで「回想の1913〜1945年」として誕生から終戦まで、最後に「仕事について:1945年〜現在」が語られる。
 そして主なレコード評のさわりが20数点紹介される。ちょっと読むだけであらためて聴き直してみたくなる。さらに吉田秀和の著作について23冊が取り上げられ、評論家や演奏家たちの書評が掲載されている。ほかに著作一覧や年譜もある。
 「レコード芸術」はもともと活字が小さく、3段組みや5段組みなので、全部で42ページといっても内容は濃い。吉田秀和の語りは面白いし。
 鎌倉の自宅から普段使用している文具類なども小さなモノクロ写真ながら紹介されている。よく読む本は夏目漱石全集、森鴎外全集、中国詩人選集、川端康成全集、フランスの詩人たちの詩集(これは原書だろう)、論語はトイレの常備品だという。
 オーディオ・システムは、スピーカーがエラックのFS207.2、CDプレーヤーとアンプ、それにBDレコーダーはパイオニア製とのこと。
 「レコード芸術」を買うなんて数年ぶりだった。立ち姿の美しい元気そうな写真が表紙になっている。97歳だという。長い間、吉田秀和が語る日曜日朝9時のNHKFMの音楽の時間が楽しみだった。いつまでも元気でいてください。