恥ずかしい体験

 娘からのメールに「orz」の記号が書かれていた。会ったときに記号の意味を聞くと、人がひざまづいて両手を着いている姿を象(かたど)ったもので、ガックリしている気持ちを表しているという。
 すぐ思い出したのが10年ほど前に鼠径部ヘルニア(脱腸)の手術をした時のことだ。手術の日の朝、看護婦さんに呼び出されトイレで浣腸をされた。そのトイレが特別なものではなく、普通の患者用のトイレが並んでいるところで、洋式トイレに両手を着かされて、看護婦さんが後ろから浣腸をした。そのトイレが一人用で狭いので、看護婦さんはドアを開けっ放しにして半ばトイレの外から浣腸をしたのだった。もし誰かがトイレに来たら、私のこの恥ずかしい格好はバッチリ見られてしまうことになるだろう。短い時間だったが、その時の不安な落ち着かない気分をまだはっきり憶えている。
 鼠径部ヘルニアの手術は腹部を切開して飛び出した腸を収め、腹膜を縫い合わせる手術で、内臓を切ることがないので回復は早く1週間しないで退院できた。若い頃大腸憩室炎の手術をしているので、それと比べたら手術の部類に入らないようなものだった。
 部分麻酔だったが、手術台に登ってすぐ睡眠薬を注射され、起こされたら手術が終わっていた。病院はお茶の水にある東京都教職員互助会の病院だった。
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・鼠径部ヘルニアの手術について、慶應義塾病院のサイト
http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000232.html