ギャラリー58の矢沢自明展が興味深い

 銀座4丁目のギャラリー58で矢沢自明展が開かれている(6月4日まで)。これがとても興味深い。矢沢は1958年福岡県生まれ。1990年から福岡のギャラリーとわーるとアートスペース貘、久留米の東判画廊で10回以上個展を開いている。東京では1996年になびす画廊、このギャラリー58で2004年と08年、それに今回の3回個展を開いている。
 矢沢の言葉から、

壁にタッカーで水張りしたロール紙を前にしてその時の気分で色を選びます。描くときには画面の方を見ないようにして適当に大きく腕を動かし、画面から離れて振り返ったとき絵の具が水とともに垂れてくるのを見るのが好きです。
ベースには暗めの色、完成に向かっているときは大量の白を混ぜたブルーを使うことが多いかもしれません。重ね過ぎて塗りつぶすこともありますが、何枚もそうやって描いているとこれでいいと思える絵が立ち上がる瞬間があり、そこでほぼ完成します。

 流れて垂れ下がった絵の具の向こうに何か風景が見えるようにも思える。少なくとも奥行きが感じられる。不思議な画面だ。長い間この手法を追求してきたので、こんなことができるのだろう。写真は色の再現が正確ではない。4面の壁を飾る作品は大きなものだ。ぜひ実物を見てほしい。




矢沢自明展
2011年5月30日(月)−6月4日(土)
12:00ー19:00(最終日17:00まで)
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ギャラリー58
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル4階
電話03-3561-9177
http://gallery-58.com