小池龍之介「超訳 ブッダの言葉」が売れているらしい。これは最近ベストセラーの「超訳 ニーチェの言葉」の二番煎じだろう。ふたつに共通なのは、超訳と称して恣意的な翻訳をしていることだろう。「超訳」という言葉はアカデミー出版の発明ではなかったか。Wikipediaによると、
超訳とは、天馬龍行(本名:益子邦夫・アカデミー出版社長)が考案した翻訳法で、作者が何を言おうとしているのかを主眼にして、読者が読みやすいよう自然に訳す、という概念の翻訳法である。直訳や意訳など、他の翻訳法と比較される。アカデミー出版の登録商標。
「超訳 ニーチェの言葉」の成功を見て、本書の出版社の社長が小池龍之介に声をかけて書かせたらしい。いや、訳させたと言うべきか。本書の新聞広告に著者の写真が大きく掲載されている。
いや、何とも言葉がない。坊さんというより、見かけは煩悩さんだ。だいたいまともな僧侶がこんな企画に乗るはずがないだろう。昨年亡くなった小原泫祐和尚さんは絶対に乗らないし、玄侑宗久さんだって乗るはずがない。
娘が言う。父さん、ハンサムな人を妬いているだけじゃないの。いや、そんなことはないよ。昔はともかく、最近はそんな煩悩はもう持ってないよ。ホントかなあ。

- 作者: 小池龍之介
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2011/02/20
- メディア: 単行本
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