なびす画廊の「田淵安一 遺作展-1-」は必見

 銀座のなびす画廊で「田淵安一 遺作展-1-」が開かれている(3月12日まで)。田淵安一は1921年山口県下関に生まれた。学徒動員で海兵団に入隊し、終戦東京大学文学部美術史科に入学、同大学院を経て、1951年に金山泰喜、関口俊吾とともにフランスに渡り、以後長い間日本に帰ることなくフランスで活躍した。野見山暁治とも原付自転車で一緒にブルゴーニュを巡るなど深い付き合いがあった。1982年北九州市立美術館で個展、1990年O美術館で個展、1996年神奈川県立近代美術館で個展、2002年北九州市立美術館で個展、2006年神奈川県立近代美術館葉山館で滞仏55年を顧みる大規模な回顧展が開かれた。2009年88歳で亡くなった。
 田淵は活躍の場がほとんど海外だったので、実力に比しあまり日本で知られているとはいえない。この度ゆかりの銀座のなびす画廊で遺作展が始まった。今回は遺作展の第1回目で、今後断続的に2回目、3回目と続けていく意向だとなびす画廊の真倉さんが言われていた。
 なにせ「なびす画廊」の命名者は田淵安一で、名前の由来は田淵が「ナビ派」が好きだったことによるらしい。
 田淵の大きな作品は美術館へ収まっているが、遺族のもとにまだたくさんの作品が残されている。それを整理しながら展示していくという。今後どんな作品が現れるか、何とも楽しみな遺作展だ。






 作品の質の高さは見てのとおりだ。まだ田淵安一を見たことのない美術関係者には必見の遺作展だろう。
 このブログでも何度か田淵のことを取り上げた。
田淵安一亡くなる(2009年11月28日)
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「田淵安一 遺作展-1-」
2011年2月28日(月)ー3月12日(土)
11:30ー19:00(土曜ー17:00まで)日曜休廊
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なびす画廊
東京都中央区銀座1-5-2 ギンザファーストビル 3階
電話03-3561-3544
http://www.nabis-g.com/