ギャラリーQの遠藤智子展が興味深い


 銀座1丁目のギャラリーQで遠藤智子展が開かれている(3月5日まで)。遠藤は1985年神奈川県生まれ、現在多摩美術大学大学院でテキスタイルデザイン研究領域に学んでいる。染色を学んできているのだ。それで作品も染色の技法で作っている。刷毛を使って染料で描いている。その技法はモーリス・ルイスと丸山直文を思い出させる。
 特に丸山直文に近いと思われるかも知れない。しかし丸山はモーリス・ルイスからヒントを得て初め抽象、後に具象を描き始めた。丸山は滲ませという技法を前提に、モーリス・ルイスとの差別化で具象へ進んでいる。遠藤は染色という技法からそれをファインアートへ展開した結果としてこれらの作品へ至ったのだ。丸山と遠藤は一見似ているが、出発点が明らかに違っている。私は遠藤の作品にとても興味深い可能性を見た。
 遠藤は幸福な地点から出発している。染色を学んでファインアートへ進むという時点で、同世代にライバルが少ないだろう。すでにして独自な世界へ歩みいることができたのだ。
 この後の展開を楽しみに見ていきたい。



      
遠藤智子展
2011年2月28日(月)−3月5日(土)
11:00ー19:00(最終日17:00まで)
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ギャラリーQ
東京都中央区銀座1-14-12 楠本第17ビル3階
電話03-3535-2524
http://www.galleryq.info