ギャラリーなつかの新春最初の企画は高浜利也展「-Railwey-」だ

 ギャラリーなつかの新春最初の企画は高浜利也展「-Railwey-」で始まった(1月29日まで)。下に掲げた3つの作品はほぼ120cm×120cmという大きな版画(エッチング・アクアチント)だ。高浜利也は1966年、姫路市生まれ。1990年武蔵野美術大学大学院を修了している。初めて見たのが1993年頃のギャラリイKでの個展で、大きくて力強いモノタイプの作品を展示していた。その後も抽象的な版画作品や木の立体作品、家屋の床を画廊内に再現したインスタレーションなどを発表している。1998年と2005年の2回、国際交流基金等により、タイのバンコクにそれぞれ2年間ほど滞在している。
 今回、ギャラリーなつかの小スペース なつかb.Pでは積木を床に置いたインスタレーションも展示している。高浜は近年各地で子どもたちを相手に積木で町並みを作るワークショップをやっている。作家のテキストから、

おととしの夏(中略)ワークショップの最中にひとりの少年が突然、線路を引き始めた。すると、まわりの子たちもすぐに同調し、みんなで一心不乱な作業が進んでいった。瞬く間に線路は未開の郊外にまで延びてゆき、沿線には空港や駅などの公共施設が整備されたベッドタウン、副都心が出現した。

 そうなんだ、こうやって素朴な形を手に入れて、それが今回の版画作品のモチーフになったのか。単純で素朴な形態が力強く魅力的な作品になっている。版の原画はクレヨンで描いているという。多彩な技法を持つ知恵者だ。

Community on the move/Railwey-6

Community on the move/Castle

Community on the move/Railwey-5

なつかb.Pの積木のインスタレーション
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高浜利也展
2011年1月11日(火)〜1月29日(土)
11:00〜18:30(最終日17:00まで)
日曜休廊
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ギャラリーなつか&b.P
東京都中央区銀座5-8-17 GINZAPLAZA58 8階
電話03-3571-0130
http://homepage2.nifty.com/gallery-natsuka/