表参道のPRADAビルのコケ

 表参道にPRADAビルがある。不思議な形はスイスの建築家ジャック・ヘルツォークとP. L. ドムーロスが設計した。

 設計者がビルを囲む壁面に植物を植えることを指示した。ビルを施工した竹中工務店がコケを使う方法を採用し、山形県のコケ栽培農家と共同開発してPRADAビルの壁面にびっしりとコケを植えたのだった。
 しかし、壁面でコケをきれいに栽培するのは難しいようだ。何度か見たが、いつもこんな風に枯れたような色をしている。写真の下方のコケはまだ緑色だが、そこから斜めに立ち上がっている壁面のコケは茶色っぽくなっていて、とても成功しているとは思えない。


 建築に植物を植えるのは藤森照信の自宅タンポポハウスが最初だろうか。屋根と壁面にタンポポを植えて、家をタンポポの花で飾りたかったようだが、あまり成功しているとは思えない。東京駅近くの呉服橋交差点脇のパソナビルの壁面もバラなどを植えている。これは植木鉢を置いているのではないか。銀座7丁目のスワロフスキ銀座店の壁面も観葉植物が飾っている。
 藤森照信の設計した建物では、壁面に芝を植えているのもあった。これは毎日壁面に水やりをしているという。植物で覆われた建築で成功しているものはあるのだろうか。