「オマージュ・種村季弘展」後期が始まった

 銀座2丁目のスパンアートギャラリーで「オマージュ・種村季弘展」後期が始まった。種村季弘はドイツ文学者、特異なエッセイや現代美術への理解者として知られた。同展のちらしから、

 錬金術悪魔崇拝、薔薇十字団、吸血鬼、怪物、少女幻想、そしてドイツの特異な幻想小説からマニエリスムや魔術的リアリスムに至るまで、広大な西洋文化の裏側を踏破したかと思えば、場末の温泉を徘徊しながら鋭利な知のメスを使いこなし、軽妙なる思索を展開する。異色の文学者・種村季弘の仕事はその全貌を把握するのはいまだ困難で、戦中の文化的カタストロフィーによってばらばらに解体された知の断片を接合し、錬金道士のごとき秘術的手腕で精鍛した怪物的評論文はまさしく迷宮の様相を呈している。(後略・相馬俊樹)

 種村季弘は1933年東京生まれ、2004年に71歳で亡くなった。スパンアートギャラリーでは「オマージュ・種村季弘展」と題した企画展を行い、11日からその後期が始まった(20日まで)。
 私も何度か種村が画廊を回っているのを見かけた。今回画廊には様々な作家や美術家からの手紙が展示されている。それらの住所から種村が一時期港区芝愛宕町に住んでいたことや吉行淳之介が世田谷区上野毛に住んでいたことも今回知った。
 種村が桑原弘明NHK日曜美術館に紹介したことから、桑原展はこことギャラリー椿が隔年で開いている。また種村は中村宏の仕事にも関心を持っていて、今回中村が新作「種村季弘氏七回忌 来迎図」を寄せている。下記に示したのがそれだ。

 スパンアートギャラリーのオーナーは実は種村季弘氏の息子さんなのだ。
「オマージュ・種村季弘展」後期
2010年9月11日(土)〜9月20日(月)会期中無休
11:00〜19:00
スパンアートギャラリー
東京都中央区銀座2-2-18 西欧ビル1階
電話03-5524-3060
http://www.span-art.co.jp/