無煙・無臭の線香の広告「火のあるところに煙がたたない」

 お盆が近い先週の日曜日、読売新聞にカメヤマの線香のカラーの全面広告が掲載された。ヘッドコピーが「火のあるところに煙がたたない」とあり、ボディコピーが次のように書かれている。

お線香の煙が服につく。部屋にいるとにおいが気になる。
そんな経験されたこと、ありませんか。
「花げしき備長炭」は、備長炭と活性炭、消臭成分を配合。
ふたをしているかのように煙とにおいを最小限まで抑えました。
快適な空間の中で、心静かにお祈りを捧げてほしいから。
お線香もカメヤマです。

 上の写真のように、ビジュアルは線香の頭に鍋の蓋が合成されている。いや、この写真から無煙・無臭のイメージを連想させるのは至難だろう。だいたいこれが線香だとは分からない。東京スカイツリーみたいな塔を連想してしまった。線香って細い印象が強いから。ヘッドコピーも分かりにくい。これが良い広告とは言い難い。なぜこんな広告を作ったのか? それはカメヤマロウソクが広告を出稿した経験が少ないからだろう。クライアント(カメヤマロウソク)のセンスが良くないのだ。複数の提案の中からカメヤマロウソクがこの広告案を選んだのだ。決して広告代理店の問題ではないはずだ。(過去の経験からそのことがよく分かる)。
 なお、コピー中で「お線香もカメヤマです」と言っているのは、カメヤマといえばロウソクのメーカーだと誰もが思っているに違いないと思ったからだろう。
 これは読売新聞に掲載されたが、同じ日に朝日新聞ではモノクロ(白黒)の全面広告だった。モノクロなら費用は半分以下だろうが、さらに線香とは分からなかった。毎日新聞には載っていなかった。つまり、線香の広告を出すにあたって、朝日新聞の読者より読売新聞の読者の方が効果があると踏んだのだろう。それは読売新聞の読者が信仰深いってことだろうか。線香をよく買うと? それとも年寄りが多いと? いや、まさか。