秋山画廊の遠藤利克展

 朝日新聞2010年6月2日夕刊に田中三蔵さんが遠藤利克展の展評を書いていた。

(最初にシューゴアーツの戸谷成雄展を紹介して)もうひとつは、遠藤利克展。50年生まれの遠藤の最新作、高さ2.2メートルの彫刻「空洞説・2010 AKIYAMA」が1点。関連の素描5点を添える。
 彫刻は、焼いてタールを塗った黒い木で組み立てられた、直径3.52メートルの円筒形。巨大な樽のようで、中は空洞だという。が、展示室の幅いっぱいを占め、見る者は裏へ回ることも、上に登ることもできない。で、逆に想像力が刺激され、圧倒的な存在感を持つこの樽が、くめどもつきぬ「気」のわく古井の遺構とも見えてくる。

 それでは見に行かずばなるまい。

 これは何なんだ。とにかく大きくて圧倒される。作品の表面が石油をかけて焼かれ、その上からタールが塗られている。その表面がとても美しい。大きさと言い、質感と言い、こういうものは直接見なければ分からない。
 個展が開かれているのは千駄ヶ谷の秋山画廊。長く神田の新日本橋駅の真上で画廊を続けていたが、数年前こちらへ移転した。こちらは代々木と原宿の間で代々木駅から徒歩10分、決して行きやすいロケーションではなかったが、地下鉄副都心線が開通して北参道駅ができ、駅から徒歩5分という便利な場所になった。
 

遠藤利克展
2010年5月12日(水)〜6月12日(土)日曜休廊
12:00〜19:00

秋山画廊
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-7-6
電話03-3401-9505
http://www.akiyama-g.com/