辻井喬・上野千鶴子「ポスト消費社会のゆくえ」(文春新書)に日本人の特異な食生活が紹介されていて面白かった。
辻井 日本のスーパーの食品売場では、生鮮食品が半分を占めていて、驚くほど高額です。これはアメリカの小売業者もヨーロッパの小売業者も理解できないことなんですね。それでも日本の消費者はわざわざ高い生鮮食品を好む。私はこれを、昔はシアーズ・ローバックに、それからいまのウォルマートに何度も言いましたが、なかなか理解してもらえない。
上野 ああ、なるほど。
辻井 日本の食生活における生鮮食品の比率は、アメリカ人でもヨーロッパ人でも理解できないんです。そのうえ生物(なまもの)ですから、主婦が調理、加工しなきゃならない。彼らは「そんな手間がかかる高いものを、どうして日本の消費者は食べるんだ」と聞く。「どうしてったって、日本はそういう食生活なんだよ」と言っても、「それは合理的でない」と主張する。
こういうことは日常生活からは見えてこない。ほかにも、この本は面白いエピソードが満載だった。
- 作者: 辻井喬,上野千鶴子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/05
- メディア: 新書
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