トイレでせずに10年の伊沢正名さん

 朝日新聞5月24日朝刊の「ひと」欄に写真家の伊沢正名さん(60歳)が取り上げられた。タイトルが「トイレでせず10年」。簡単に言えば環境汚染対策で10年間「大」を一切トイレでしないというもの。その10年というのは「毎日野外という連続記録」で、「信念の野ぐそ」を始めて36年ということだ。トイレでしないで野ぐそをしている。

 庭や裏山で穴を掘って埋め戻し、葉っぱでふく。「小」は草木を枯らすので早々に断念した。街に出る時は排泄のタイミングをずらし、旅先では「候補地」を下調べ。原生林や沢は避け、同じ場所には1年以上しない。場所や頻度を記録し、土に還る時間も追跡調査した。「自然の循環に自らを組み込もう」と説く。

 この話は以前伊沢さんから直接伺った。もう少し危ない話だった。葉っぱでなく指で拭いていたし、街のホテルに泊まった時は、ホテルの庭でしていたと言う。皆が同調すべきだと言われていたが、皆がするようになったら、その方が環境汚染ではないだろうか。
 伊沢さんのエピソードは4年ほど前に紹介したことがある。

伊沢正名さん(2006年12月8日)

 最後になったが、伊沢さんはきのこの写真家として日本の第一人者であり、粘菌(変形菌)の写真家としてはパイオニアであって他の追随を全く許さないユニークなカメラマンなのだ。