不思議な造形の岡典明展@藍画廊

 岡典明展が銀座1丁目の藍画廊で開かれていた(4月19日〜24日)。それは不思議な立体作品だった。塩化ビニールの波板を丸く円柱にして、そこに透明なこれも塩ビの細いひも状のものが植えられている。無数に近く植えられているそれらを見ると、すね毛を連想し、無機質の塩ビの波板がなんだか艶(なま)めいて見えた。ひも状のものは波板に穴を開けて植えられているが、無秩序にあるのではなく、星座の形をしているという。
 最初は何だか変な造形だと思ったのが、いつまでも見飽きなくて不思議と引き込まれているのだった。なぜなんだろう。ぶっきらぼうに見えた形が意外にも魅力的なのだ。



 画廊の中央にこの立体が置かれていて、周囲の壁面には平面の波板に同じ塩ビのひも状のものが植え込まれたオブジェが展示されている。
 岡典明は個展が11年ぶりだという。ふだん作品は憶えても作家の名前はなかなか憶えられないくせに彼の名前ははっきり憶えていた。「岡」と「典」の字の形が相似であることが面白く、それで憶えていたのではないか。
 11年ぶりに個展を開いたのをきっかけにこれからは、定期的に作品を見せてほしい。
 岡典明、1964年横浜市生まれ、1990年多摩美術大学大学院美術研究科修了。個展は1991年から藍画廊、西瓜糖で6回行っている。

藍画廊
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル2F
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