カイドウ(海棠)は中国から来た花。桜より華やかだ。この花は中原中也と小林秀雄のエピソードを思い出させる。鎌倉の寺の海棠の古木から花びらが散るのを見ながら、中原が「ぼうようぼうよう」と言ったエピソードを。
桜もソメイヨシノが散っていて、ギョイコウ(御衣黄)が満開となっている。こんな地味な花を愛でるというのは花の観賞のマニエリスムと言えるだろう。マニエリスムは究極の成熟なのだ。
グミの花。さすがにこれは観賞用ではなく、果実を食用にした。子供の頃はグミの実を採って食べるのが楽しみだった。大きな木になるので、高い枝に登らなければならなかった。
次の豪奢な花はキクモモ(菊桃)だと思う。明治通りが墨田区と江東区の区境の北十間川を渡る橋を福神橋という。その橋の墨田区側で咲いている。