新宮さやかの陶の作品が興味深い

 東京京橋のINAXガレリアセラミカで行われている新宮さやかの陶の作品の個展がとても興味深いものだ。新宮は1979年大阪生まれ。大阪芸大陶芸コースを卒業した後、滋賀県立陶芸の森創作研修館で学んでいる。関西では何度も個展を開いてきたようだが東京では初めてだ。





 陶で作られた黒い花。細い雄しべは「一本一本手びねりで針のようにして何千本何万本とつくります」という。一本つくってはつけていくのだという。根気と集中力のいる作業だ。その結果が雄しべのうねるような形を作り出す。膨大な雄しべの量感が豪奢な印象を与える。と同時に作品から何か寂寥感を感じるのはなぜだろう。
 陶でつくられたこのオブジェは装飾品ではなく美術作品だ。陶を使ってこのような作品が制作されたことに驚いた。雄しべの表現に草間弥生の作品と共通するものが感じられるが、それがある種の女性性なのではないか。男性作家にはない特徴だ。


新宮さやか展
2月5日(金)−3月2日(火)日曜・祝日休廊
10:00ー18:00
INAXガレリアセラミカ
東京都中央区京橋3-6-18 INAX:GINZA 2F
電話03-5250-6530
http://www.inax.co.jp/culture/