長嶺ヤス子の飼う153匹の猫

 舞踏家 長嶺ヤス子へのインタビューが朝日新聞で連載されていた。その最終回から。(2010年2月12日夕刊)

 私が踊る意味は「命」にあります。公演は赤字なんです。4月に東京・新宿や調布などで公演をしますが、スペインから9人も踊り手や歌手、演奏者が来て、練習を含めて3週間ほど滞在する費用や彼らの出演料を出すと、会場は満員になっても赤字になってしまうの。
「いいショーを」という思いがあるから、ぜいたくになってしまうのね。捨てられたり虐待されたりした猫153匹と犬17匹を猪苗代湖の近くに家を借りて飼っているので、こちらにも、おカネが必要なのね。
 私がお金持ちだと思っている方がいますが、実際は余裕がないの。この20年、猫や犬などの絵を描いて、その売り上げで踊りの赤字を埋めて、動物の世話をしているの。動物と一緒でなかったら、ここまで頑張れなかった。

 猫153匹なんて、いったいどんなに大きな家で飼っているのだろう!