ギャラリー現の古澤信二展

 銀座1丁目のギャラリー現の古澤信二展が面白かった(昨28日まで)。古澤は独特の手法で作品を作っている。絵筆の代わりに木片を使うのだ。作品に貼り付けられているのがその木片−−2cm角くらいの小さな角材だ。絵の具を塗った画面をこの角材でこする。それが作品になる。角材は筆というよりもパレットナイフに似ているか。





 筆やパレットナイフと違い作家のコントロールが効きにくい。しかし偶然の産物でもない。不十分なコントロールの結果ではあるが、その良否を判断するのは作家に他ならない。そしてこのような禁欲的で見事な作品が生まれた。不思議な作品だ。禁欲的ではあるがミニマルではない。饒舌ではないが、確信を持って語っている。
 古澤信二は1956年生まれ、53歳になる。地味な作品だが大変面白い仕事だ。他にこのような手法で制作している作家を知らない。


ギャラリー現
東京都中央区銀座1-10-19 銀座一ビル3階
電話03-3561-6869
http://www.jpartmuseum.com/g_gen/