朝日新聞の変節

 10月14日の朝日新聞朝刊を開いて私は驚きの声をあげた。2面は朝日新聞の名物のコラム「ひと」の指定席だ。話題の人を取り上げて写真入りで簡単な紹介をしている。この日は「『父のヘリ』の記念日を迎えるボーイングジャパン社長」と題して、「ニコール・パイアセキさん」が取材されている。


 ボーイングのチヌーク(CH47)は父が設計し、50年近く各国で使われている大型の双発輸送ヘリだ。(中略)川崎重工業がライセンス国産を始め今年で25年になり、20日に同社岐阜工場である記念式典に出席する。「父の血を継ぐヘリコプターに誇りを感じます」

 いや、何が驚いたかって彼女の年齢が書かれていないのだ。今までそんなことはあり得なかった。最近の「ひと」に登場した人たちは、10日「『連合』新会長に就任した」古賀伸明さん(57)、11日「タイのHIV感染者夫婦をドキュメンタリー映画で追う」直井里予さん(39)、11日「クライマックスシリーズ 楽天を後押しする球場の声」古田優児さん(35)、12日「絵を点字視覚障害者を支える点字ソフトの生みの親」藤野稔寛さん(57)と皆年齢を開示されている。

 以前朝日新聞に取材された女性画廊主が、誕生日も聞かれたのよ、掲載日に正確な年齢を出さなきゃいけないからって。
 14日の「ひと」欄が朝日新聞の変節だという所以である。