犬山城のお殿様はいま

 朝日新聞夕刊1面に「ニッポン人脈記」というコラムがあり、現在は「お殿様はいま」というテーマで連載が続いている。9月28日は愛知県の犬山城が取り上げられていて、この犬山城は最近まで個人の所有物だったと紹介されている。
 私が中学生の時、国語の教科書を監修していたのがこの犬山城の城主成瀬正勝という国語学者だった。最近までその孫の成瀬淳子が城主代理だったが、2004年4月に財団法人犬山城白帝文庫が設立され、城主代理から理事長に変わったという。国宝でありながら、個人所有は修理費や管理費が大変だったという。
 教科書でお世話になっていたが、犬山城へ行ったのはその30年後だった。こぢんまりとしたいい城だった。北側を木曽川が流れていて自然の堀になっている。
 取引先に成瀬一族に連なる成瀬さんがいた。この人はある種の超能力者で、彼の勤める会社の社長が事務所で急死したとき、事前にそれが分かっていたという。どうして分かったのですか? 社長の背後に光が出ていたんです。愛知県に住むおばあちゃんが亡くなったときも事前に分かってしまった。すごい能力ですね。いや、分かっても何もできないから虚しいんですよ。それにぼくは超能力ではなくて予知なんです。じゃあ、超能力があったら何をしますか? ううん、パチンコの釘を曲げるかな。