お礼の礼儀作法

 以前読んだ扇谷正造の礼儀の本に、画家から個展の招待状をもらったときの対応が書かれていた。原則として、作品を1点買うことが期待されているし、その期待には応える必要がある。もし経済的にそれが難しければ、花や菓子、酒などを手土産として持参することとあった。
 礼儀作法のハウツー本をしこたま書いている扇谷さん、ブッブーです。大間違い。個展の案内状は少なくても数十枚は出しているだろう。受けとった人たちが作品を1点ずつ買ってくれたら画家は誰も貧乏しない。正解は個展を見に行くこと。見に行ってあげれば画家は喜ぶのです。
 しばらく前に若い画家の個展についてブログで紹介したら、お礼にと菓子折を贈ってくれた。有難く頂戴したが、これは必要のないことだ。画家(作家と呼ぶ)がお礼をしたいと思ったら、礼状をハガキで出せばいい。そこに落書き程度の絵を添えれば受けとった側は大喜びするだろう。そのハガキは作家の直筆なのだから。
 私は毎年手のこんだ年賀状を送ってくれる作家のハガキを作品として宝物にしている。50年後には「開運! 何でも鑑定団」に出品できるかもしれない。