練馬区立美術館でコレクションによる企画展「絵画の、あつみ」を開催している(23日まで)。これは「絵画の外側に付随している額装や表具についての問いを展示の背骨にしてい」るという。
毎週土曜日は学芸員による「あつみ体感ギャラリートーク」がある。額装についての具体的な話や、絹に描かれたまだ表装されていない日本画も特別に触らせてくれる。なかなか勉強になった。
野見山暁治の作品も2点展示されている。その内の1点が「マドモアゼル・テレーズ」と題された紙にガッシュとインクで描かれた1954年の作品。
さて、今回練馬区立美術館に来た目的は、特別出品の吉田暁子の作品を見るためだった。吉田の作品は美術館の前面の大きなガラス窓に展示されている。大きな和紙がガラスに貼られ、美術館の外側と内側から見ることができる。特に内側から見たとき、外の景色と2重写しになって見えることを計算しているのだろう。ギャラリートークをしてくれた学芸員の上山陽子さんが、外の景色を含めれば最も厚い作品ですと言っていた。
作品を重なった層として表現するのは吉田の常套的な方法だ。しかし私には相変わらず難しい作品で、吉田の作品は分からないままだ。
外から見た吉田暁子の作品
内から見た吉田暁子の作品(2階の一部)
内から見た吉田暁子の作品