原田かほるの句

 長谷川櫂「麦の穂ーー四季のうた2008」(中公新書)に原田かほるの冬薔薇の句が紹介されていた。真夏に冬の季語の句だが。

 咲 き 次 ぎ て 冬 薔 薇 と な る 人 も ま た


 寒さに耐えて咲く冬の薔薇は、夏の薔薇と違って清らかな印象がある。この句は「冬薔薇となる」でいったん切って読む。薔薇がついに冬薔薇になるように、人も年齢を重ねて冬薔薇のような人になる。誰でもそうありたいと思うだろう。

 昨年12月半ば頃の読売新聞に掲載された。
 なんか直接の関係はないが、冬薔薇→クリスマスローズ→クリスマス・イブ、という連想で、連合赤軍のメンバーで死刑が確定した坂口弘の短歌を。

クリスマス・イブに保釈で出でし日が岐路にてありき武闘に染みて

 さて。

麦の穂―四季のうた〈2008〉 (中公新書)

麦の穂―四季のうた〈2008〉 (中公新書)