つまらない抽象彫刻展

 私のブログでは無名の作家(画家、彫刻家など)のつまらなかった個展には一切触れないようにしてきた。批判するのは原則有名作家、世間で評価されている作家に限った。今回その禁を破って無名作家を批判しよう。ただし作家名は匿名とする。
 先日ある画廊から個展の案内が封書で送られてきた。A4版のちらしだ。木彫の抽象作品で形もきれいだし面白そうだった。期待して見に行った。ところが期待は外されつまらない個展だった。何がいけないのか。
 抽象彫刻であるが、鳥とか翼とか胎児とか安易に原型が連想できてしまうのだ。抽象に謎がなかったらつまらないことが今回分かった。まさに当て振りのつまらなさだ。
 面白い作品は原型が想像できたとき、あれからこんなものを作ったのか! という驚きがある。その飛躍が面白いのだ。そして面白い作品は良い作品だ。
 閑話休題。ちらしをフライヤーと書く馬鹿がいる。カタカナ語を使うどんな理由があるのだろう。昔、離席中に電話があったとき返電するよう伝えるメモに「要Call back!」と書いたヤツがいた。いつの時代も軽薄な人間はいるものだ。