食べられるものと食べられないもの

 NHKニュースで、ナベヅルが渡ってきて田圃や川のタニシを食べていますと言っているのに、テレビ画面に映っているのはタニシなどではなく、人には食べられない巻き貝だった。それを見たときの強い違和感! 娘から、父さんてコオロギ食べるよねと言われたときも、違う、食べるのはイナゴと強く否定した。娘はイナゴを佃煮でしか見たことがない。佃煮のイナゴは黒くてたしかにコオロギに似ている。
 食べられるものと食べられないものという区別は、種の見分けなど比較にならないくらい強いものだった。感情的になるほどに。自覚していないが、きわめて重要な事柄だったのだ。