ギャラリイKで弓良麻由子展を見る

 京橋のギャラリイKで恒例の企画展「知性の触角2009それぞれの他者」が開かれている。1月から始まった企画の最終6人目が弓良麻由子展だ。不思議な立体を展示している(3月14日まで)。弓良は1984年生まれ、日大芸術学部彫刻コースを卒業して、現在武蔵野美術大学大学院彫刻コース在籍。ギャラリイKでの個展は3回目。
 展示されている作品は2点、いずれも大きいものだ。まずL字形の立体、石膏で作っている。L字形の板を中空の円筒が挟んでいる。円筒は板に添って直角に曲がりその先は閉じた空間を作っている。先端が閉じているが天井に当たる部分が開いている。作家はいつも部屋にあたる空間に至る円筒形の通路を作っている。不思議な形でとても魅力的な立体だ。
 もう一つも円筒形で縦になっている。竹を思わせる。節もあって、節の真ん中には穴が開けられている。これも石膏で作られている。二つは対になっている作品だ。




 ギャラリーからのメッセージ

弓良麻由子の作品は、その内面を直感的に綴る詩的な表現であると同時に、観る者が抱くイメージを吸収して別なものへと変換する装置のような働きをします。微細なものを拡大したかのような印象を与えるかと思うと、大きな建築物を俯瞰しているかのようにも見えてくるスケール感のゆらぎ。素材の使い方、表面の質感も独特で「夢の論理」を造形手法としているかのようです。

ギャラリイK
東京都中央区京橋3-9-7 京橋ポイントビル4F
電話03-3563-4578
http://homepage3.nifty.com/galleryk/
3月5日(木)〜14日(土)日曜日休廊
11:00〜19:00(最終日〜17:00)