秋山画廊の小林聡子展


 渋谷区千駄ヶ谷の秋山画廊で小林聡子展を見る(11月29日まで)。紙で作った箱のようなものを22個画廊に並べたインスタレーションだ。箱は蜜蝋が塗られていて折り畳むことができる。箱の中には何も入っていない。これは何だろう。
 作家と話した。箱は容れ物です、存在も容れ物のようなものだと思う。
 作家の言葉

 私は容れ物のような作品を作りたいと思いました。
 容れ物は何か注がれるものを受け止め、つかの間、形を与えます。
 この柔らかい容れ物は光も空気も完全には遮断せず、それでも光を受け、周囲の形を映し、ときに風にゆれ、微妙に傾きおぼつかなげに存在しています。
 それは透明感があり軽やかで、一見、存在感が稀薄なように見えて実は強く存在しています。

 容れ物としての存在、存在を容れ物として受け止める作家の世界観を作品として提示している。これえは仏教的な思想ではないだろうか。命が姿を変えて輪廻していく。その容れ物としての存在がごろんとギャラリーの床に転がっている。興味深いインスタレーションだ。


小林聡子展
11月10日〜11月29日(土)、日・祝:休廊
12:00ー19:00(金曜ー21:00、最終日ー17:00)

秋山画廊/AKIYAMA GALLERY
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-7-6
TEL/FAX03-3401-9505
http://www.akiyama-g.com/index.html

アクセスマップ
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