言葉の生まれるところ

 文章をつづる。言葉を考える。別の言葉を探す。言葉が浮かび出る。その言葉を文脈の中に組み込んで検討する。また別の言葉を探す。新しい言葉を文脈の中に入れる。それに決める。
 探し出した言葉が妥当か否かは、具体的に文脈の中に入れてみないと分からない。文脈の中に入れるとは、この時黙読するということだ。黙読は私がしている。その採否の決定も私だ。ではその言葉はどこから現れるのだろう。黙読するのや採否を決定するのは〈私〉だ。だがその言葉が現れるのは〈私〉ではない。もっと深い無意識の領域だ。それって何だろう。