禁欲的で厳しい抽象ー早川重章展を見てほしい!

 銀座1丁目のギャラリーゴトウで早川重章展が開かれている(11月15日まで)。早川は1924年生まれ、今年84歳になるという。戦後しばらく自由美術に属し、その後数年間ロサンゼルスに行っていた。若いときにアンフォルメルや抽象表現主義の影響を受けたのでその痕跡が残っているよと言われる。失礼ながら年齢を聞かなければそんなにも高齢だとは思えない若々しい絵だ。
 今回はガッシュとアクリルの小品展。それにしても最近久しぶりに見る禁欲的で厳しい抽象だ。媚びたところがなく、素っ気ない印象を与えるかもしれない。しかし、凝視していると決して派手ではない深く静かな美しさが伝わってくる。
 4年前に神奈川県立近代美術館で回顧展が開かれた。だが実力に反して知る人が多くないのはなぜだろう。画廊へ来た方たちが異口同音にこんなにすばらしい画家のことを今まで知らなかったと言われる。
 2年ぶりの個展をこの機会にぜひ見てほしい。




ギャラリーゴトウ 
東京都中央区銀座1-7-5中央通りビル7階
電話03-6410-8881 http://www.gallery-goto.com
11月4日ー11月15日
11:30ー18:30(最終日は16:30まで)