絵画バブルの崩壊

 ギャラリーアポロの秋山さんが絵画バブル崩壊について書いている。(「APOLLOMEDIATE」2008年11月号)

 美術品と株価の動きはどうなっているかと言うと、株や土地というのは金融経済の親方商品で、美術品はその最末端の金融商品に位置づけられる。途中には商品相場だとか、金だとかが入ってくる。
 勿論美術品の相場は株、土地の値動きに連動していて、現在の下がり方は株価と同じ、ほぼ全面安で、崩壊状態だ。第二次世界大戦のガナルカナル、アッツ島状態で、”帝国陸軍壊滅セリ”だ。(中略)
 美術品の値動きがこの一年どうなってきたかということを見てみると、昨年の11月から下がりっぱなしというのが現実だ。一番象徴的なのが高名なH氏(平山郁夫だろう=polo記)で、昨年の11月2,500万円だった作品が、今年の5月、700万円でたたき売られた。約7割減。5月頃から、更に下がりっ放しで、夏に入って、更に状況は悪化した。今買えば損という状態で、だから各交換会(画商仲間のオークション=polo記)の出来高は極端に落ち込み、相場は下がり続けている。
 特に国内市場でしか通用しないナショナル・ペインティングの値下がりはひどく、”日本画”なんてものは手が付けられない状態だ。市場が日本一国しかないのだから、モロに日本の金融経済の影響を受けている状態だ。
 海外市場でも通用するインターナショナルな美術品はどうかと言うと、これも牽引車だった韓国・中国があっさりと手を引いてしまったもんで、矢張り下がり続けている。リーウーハンや草間弥生の価格も昔日の感がある。

 絵画バブルについては、この他ギャラリー椿の椿原さんの「ギャラリー日記」http://www.gallery-tsubaki.jp/diary/diary001.htmlでもいろいろと書かれていて参考になる。