世田谷美術館で行われている「冒険王・横尾忠則」という展覧会を見る。横尾忠則の美術館での個展は、6年前に東京都現代美術館で行われた「横尾忠則 森羅万象」展以来だ。その時、横尾は大作400点を並べた。広い美術館の壁面一杯に展示された膨大な作品を見て、私は当時、横尾の絵はもうたくさんだと思った。下手だし品がないし、どこがいいのだろう。
ところが今回世田谷美術館での個展を見て、私の中の評価が全く変わってしまっていた。見るのが楽しかった。想像力の豊かさに感心した。下手で品がないという評価は変わらないが、横尾忠則なかなかいい画家じゃないか、面白いぞと思った。6年間で私が変わったのか、横尾が変わったのか。おそらく両方なのだろう。
以前から描いていたY字路シリーズに加え、最近は温泉シリーズも始まった。コラージュをちりばめたこのシュールなシリーズがなかなか良いのだ。
世田谷区の教育委員会が小中学校の児童生徒を引率して区立美術館に見に行っているのを、今回取りやめにしたという。性行為なんかも描かれているけれど、見せればいいのに。むしろ子供なんかが面白がる絵なのではないか。
おお、今週日曜日(6月15日)までだ。