村上隆の立体作品が16億円だという



 5月15日の朝日新聞夕刊に、ニューヨークで開かれたサザビーズのオークションで村上隆の立体作品「マイ・ロンサム・カウボーイ」が1,516万ドル(約16億円)で落札されたと書かれていた。高さ254cm、裸の男性が自分のほとばしる精液をロープのように操っているのでカウボーイなのだ。
 1998年、これが発表された小山登美夫ギャラリーで見ている。小山さんがアメリカでは300万円で売れるんだ誇らしそうに言っていた。10年間で500倍の値上がりだ。もっとも大金を得たのは以前安い金額で買っていたコレクターで、村上隆や小山登美夫ではない。いや、決して安い金額ではなかった。これが300万円で売れるのかと驚いた記憶がある。ましてや億を超えるなんて想像もできなかった。
 しかし、オークションの金額はその作家の時価を表すものではない。ガレリア・グラフィカでは香港のオークションで1,000万円をつけた日野之彦の値段を100万円に抑えたままだ。
 オークションの最高額って、まあ瞬間最大風速みたいなものか。